ホーム お知らせ 荻野 幸作(おぎのこうさく 1911-1992) 荻野 幸作(おぎのこうさく 1911-1992) 2009年2月6日更新 このページを印刷する シェア ツイート ■地球からの贈り物―水― 流水客土(りゅうすいきゃくど) 黒部市は、天下の暴れ川―黒部川―の扇状地に位置しています。黒部の歴史は、水との戦いといえるほど、多くの苦労を積み重ねてきました。 その中でも、扇状地における稲作は、黒部川の水によって大変悩まされていました。度々おきる洪水により、扇状地の土壌は砂や石が多く、水を入れてもすぐに浸透していくザル田と言われる田んぼでした。また、黒部川は急流であるため、水が冷たく、稲が大きく育ちませんでした。 折しも、食糧不足の時代です。そのザル田を美田に変えるのが、農民たちの願いでした。そうした土壌に赤土を加える「客土」をすると、多くの実りが得られることは、少し前の研究で分かってきました。しかし、1つ1つの田んぼに土を運び入れるというのは大変な労力とお金が必要です。 ちょうどそのころ、農会技師伊東森作さん(いとうもりさく)が魚津と下立で小規模な流水客土のテストを行いました。「流水客土」とは、赤土を水に溶かして流すことにより客土する、という画期的な方法です。テストの結果、流水客土によりたくさんの米を収穫できることが確認されました。 その結果を受けて、幸作さんは黒部川を囲む周りの町村長とともに、流水客土を実現するために奔走しました。その実現のためには、乗りこえなければいけない問題がありました。赤土を水に溶かして黒部川扇状地の末端まで行き届くよう流すには、大量の水が必要なのです。 黒部川左岸は、現在、宮野運動公園になっている場所から、赤土を掘って流水客土を実施することになったのですが、そこには宮野用水から流れてくる限られた水しかありませんでした。 宮野用水は、黒部川の上流部から水を引いていますが、この水は農業だけでなく発電事業などにも使われていました。黒部川の水を利用する権利というのは、利用者毎にきちんと決められていたのです。また、流水客土を実施する時期は、米を収穫したあとの秋から冬で、黒部川の水量の少ない時期でもあります。 流水客土を実施するには、大量の水が必要ですから、権利を持っている企業に、「流水客土を実施するための水を分けてください。」とお願いしました。企業も水がなければ、事業ができませんから、そう簡単には返事をもらえません。何度となく話し合いが行われました。最後には、幸作さんの熱意と持ち前の粘り強い交渉によって、水を分けてもらうことができました。 6年間かけて流水客土事業は実施され、黒部川扇状地の田んぼからは、たくさんの米がとれるようになり、農民たちは心から喜びました。 ※ 日本は水の輸入国 稲を育てるには、田んぼにたくさんの水を入れなくてはなりません。野菜を育てるのにも水が必要です。牛や豚を育てるにも、飲み水の他、飼料になる草を育てる水が必要です。食料を輸入するということは、大量の水を輸入するということなのです。 (続きを読む・・・) 最新のお知らせ 【2/28(金)~3/2(日)】インターネット相談窓口等の受付停止のお知らせ 4/13(日)マイナンバーカードの休日窓口を開設します KOKOくろべで「健活」&「クラフト体験」 大雪に関する情報はこちらから(令和7年2月17日更新) 防災まちづくり講演会を開催します! 令和6年度黒部市高齢・障がい福祉施設等物価高騰対策支援金について 宇奈月温泉スキー場からの大雪に関するお知らせ 第7回マイプロジェクト発表会を開催します! 【2/21(金)】 お知らせ一覧へ