ホーム お知らせ 冠 松次郎(かんむりまつじろう 1883-1970) 冠 松次郎(かんむりまつじろう 1883-1970) 2011年1月26日更新 このページを印刷する シェア ツイート ■幻の滝へ さらに、かつて「音はすれども姿は見えず」と言われた剱沢大滝を目のあたりにします。実際、この滝は現在でも滝口まで行くことすら難しく、この「幻の滝」を初めて単独で登り切ったのは昭和57年(1982)の宇奈月町音沢(現在の黒部市宇奈月町音沢)の名ガイド高嶋石盛さん(たかしまいしもり)で、発見から数十年かかりました。現在でも、わずか数名の記録しか残されていません。 黒部はまた一日一日、時間ごとに別の表情を見せる場所でもあります。がけを横切り、壁にしがみつき、ザイルをつたって、それを限りなく繰り返しながら探検は道なき道を進みます。やがて、廊下を抜けて、渓谷の探検は終わります。この探検でも、冠はまた、黒部の持つ深い魅力をいくつか発見することができたようです。 【踏査図面「立山東面と黒部の下ノ廊下」昭和2年 冠松次郎筆】 その後も、冠は、上廊下、黒部の谷や山などの魅力ひとつひとつを自らの手や足、目や耳で確かめ、雑誌や本に紹介していきます。黒部がなぞに包まれた人を寄せ付けない場所から、多くの人々の憧れに変えたのはまさしく冠の大きな仕事です。しかし、黒部の谷の多くは、容易に人を寄せつけず依然として原始の姿を残したままです。ますます、憧れは募り、私たちは冠と同じように黒部にひかれていきます。 今に見られる電源開発も登山道の整備も、黒部のわずかな部分を切り開いたにすぎません。黒部の魅力の多くは、まだ谷のなかに横たわったままで、未来につながろうとしているようです。その扉を開くのはあなた方のだれかかもしれません。 『語りつぎたい黒部人~黒部に足あとを残した人々』へ戻る 西暦 年齢 項目 1883 東京本郷に生まれる 1909 26 日本山岳会へ入会する 1911 28 白馬岳から祖母谷へ下降する。黒部川との出会い 1917 34 早月尾根から剱岳初登頂 1920 37 下廊下に挑むが、途中で撤退 1925 42 下廊下完全遡行に成功。十字峡の発見 1927 44 「幻の滝」剱大滝直下に到達 1928 45 『黒部谿谷』を出版する 1962 79 最後の黒部・立山行 1970 87 亡くなる 最新のお知らせ 【2/28(金)~3/2(日)】インターネット相談窓口等の受付停止のお知らせ KOKOくろべで「健活」&「クラフト体験」 大雪に関する情報はこちらから(令和7年2月17日更新) 防災まちづくり講演会を開催します! 令和6年度黒部市高齢・障がい福祉施設等物価高騰対策支援金について 宇奈月温泉スキー場からの大雪に関するお知らせ 第7回マイプロジェクト発表会を開催します! 【2/21(金)】 JRにおける精神障害者割引制度の導入について お知らせ一覧へ