ホーム お知らせ 【ダイジェスト版】語りつぎたい黒部人 vol.11 山田 胖 【ダイジェスト版】語りつぎたい黒部人 vol.11 山田 胖 2011年2月16日更新 このページを印刷する シェア ツイート 山田 胖(1886-1964) 黒部開発の恩人 アイディアあふれる土木技師 山田 胖(やまだ ゆたか) ■秘境黒部峡谷の電源開発に挑む 山田胖は土木工事の技師として優れた才能をもち、東洋アルミナム(株)設立にかかわっており、大正6年、アルミニウムの製造に必要な多量の電力を確保するため、黒部川へ水力立地調査にやってきました。胖は、黒部川流域を調査し、電源開発が可能な地点を明らかにし、黒部川電源開発計画の全体像を作り上げました。 ■宇奈月温泉開湯 東洋アルミナム(株)は、当時未開の地であった宇奈月の温泉開発にも乗り出しました。電源開発と発電事業を続けるには、ここを厚生施設が備わった基地にする必要があった上、宇奈月まで伸ばした黒部鉄道も温泉客を運ばないと採算がとれなかったからです。そこで、胖らが中心となり、黒薙からの引湯計画を進めました。 当時、黒薙では92℃あるお湯が、到着に9時間かかり、宇奈月では20℃になっていました。 胖が引湯改良のヒントを得たのは、内山にあった愛本温泉に入浴中のことです。2、3人の客が「黒薙の湯元で水を少し加えたら、もう少し温かいお湯が来るはずだ。」と話すのを耳にし、胖は流量と流速の関係に気がつきました。湯元で水を加えると温度は下がりますが、引湯管内の湯量が増え、流れが速くなるので、途中であまり冷めないはずです。この理屈から、流れる湯量を増やし、流速を早くするような引湯管を作れば良いと考えたのです。 さっそく胖は黒薙で湯元を掘り始め、1秒間に0.8ℓしか出なかったお湯を12.6ℓまで増やすことに成功しました。また、引湯管として用いていた30㎝四方の角型の木の樋を、直径12㎝の赤松をくりぬいて作った丸い管に代えました。これを用いると、黒薙から宇奈月まで2時間15分で到着し、冬でも55℃あることがわかりました。 引湯工事は大正12年に終了し、1日738,000ℓのお湯が黒薙から宇奈月まで引かれ、宇奈月温泉の建設も本格化し、立派な温泉場となりました。地域全体の開発という高い理想をもち、その実現に全力を傾け続けた胖は、昭和39年78歳で逝去しました。 西 暦 年 齢 項 目 1886 福岡県に生まれる 1910 24 東京帝国大学土木工学科を卒業する 1919 33 東洋アルミナム株式会社設立 1920 34 東洋アルミナム株式会社水力部長となる 1922 36 黒部温泉株式会社常務取締役となる 1923 37 黒薙から宇奈月へ引湯に成功し、翌年宇奈月温泉開湯 1927 41 鶴見臨港鉄道株式会社常務取締役となる 1964 78 逝去 最新のお知らせ 【12/21(土)】黒部市トップアスリート育成教室(陸上競技)≪講師:寺田 明日香氏≫ 年末年始のコンビニ交付サービス利用停止のお知らせ 黒部国際化教育推進事業 「ゼロカーボンシティくろべ」推進パートナー取組を紹介します! やまびこ遊歩道の通行可能期間について 宇奈月温泉スキー場お得なシーズン券の受付を開始しました(早割12/20締切) 【12月~2月実施】スマホ教室参加者募集中! 【令和6年12月2日現在】黒部峡谷、宇奈月温泉周辺の観光施設及び登山道の状況について お知らせ一覧へ お問い合わせ 教育委員会 生涯学習文化課 〒938-8555 黒部市三日市1301番地 電話番号:0765-54-2764 FAX番号:0765-54-2702 このページの担当へ問い合わせを送る